平成

浅間千句


投稿された俳句を月別に順次公開していきます。



 平成十五年五月 

凛々と山現はるる初明り
東京都 松浦靖子
大浅間窓に納めて深雪晴
東京都 松浦靖子
龍神の舞千年の夏木立
東京都 松浦靖子
農講習冬の浅間の見ゆる席
御代田 清水 猛
雪浅間風堪えて掘る山ごぼう
御代田 清水 猛
浅間の煙南に下りて夏は去り
御代田 清水 猛
明け放ち風と浅間の障子かな
御代田 橋本 潔
雪告げる雲襲い来て浅間暮る
御代田 橋本 潔
振り向けば雪止む浅間月凍てる
御代田 橋本 潔
浅間山初冠雪や豆を炊く
佐久市 清水慶子
浅間山指呼【あさましこ】朝な夕なの茸汁
佐久市 清水慶子
青葉ごし浅間山【あさま】は今日も笑い居り
佐久市 清水慶子
夏浅間ふるさとここに決めようか
御代田 沢田勝彦
新緑の林が切れて浅間山
御代田 沢田勝彦
青山【せいざん】の浅間を仰ぐ梅雨晴れ間
御代田 沢田勝彦
雲集め雲散らしやっと春浅間
御代田 足立 淳
万緑が裾野を制し浅間嶺孤
御代田 足立 淳
散骨は浅間香華は遠花火
御代田 足立 淳
空梅雨の浅間の煙より白く
御代田 石田彰男
ほのぼのと浅間の浮かぶ朧月
御代田 石田彰男
雪形の鯉滝登る大浅間
御代田 石田彰男
大浅間駆け登り行く新樹光
御代田 小林阿ぐり
浅間見て天気占ふ種下ろし
御代田 小林阿ぐり
鯉幟り浅間も低き空およぎ
御代田 小林阿ぐり
休耕の土を労ふ時雨かな
御代田 日比忠雄
雪激し駅舎の灯【ともし】かすみをり
御代田 日比忠雄
時雨るるも浅間の煙おとろへず
御代田 日比忠雄
いつ観ても浅間はいいな我が心
御代田 武井裕子


 平成十五年六月 

勅願の寺に浅間の風光る
御代田 内堀隆久
「帰命頂礼」敦盛草の道野辺で
御代田 内堀隆久
野仏に影施して夏木立
御代田 内堀隆久
雲ひとつ春の浅間に添ふばかり
松戸市 高山三千夫(浅雲)
秋晴れや峠の先に大浅間
松戸市 高山三千夫(浅雲)
浅間嶺の夢か月雲踊りおる
松戸市 高山三千夫(浅雲)
真白なる浅間嶺【ね】に射す初日かな
御代田 土屋春雄
草苗や浅間の嶺【みね】の暮れ残り
御代田 土屋春雄
炎天に竜神舞ひて大【おお】浅間
御代田 土屋春雄
浅間嶺の宙にありけり春霞
御代田 五嶋不二
浅間噴火【ふく】からまつ新樹の天に噴く
御代田 五嶋不二
尊しや初冠雪の噴くお山
御代田 五嶋不二
佐久鯉の形【なり】に残雪大浅間
松戸市 素春
樺萌ゆ透かして眺む大浅間
松戸市 素春
薫風や浅間鎮【しずめ】の勅願寺
松戸市 素春
浅間嶺に夏雲の影ゆっくりと
軽井沢町 一色文枝
秋天や今日はよき日浅間山
軽井沢町 一色文枝
たおやかに白衣をまとふ浅間山
軽井沢町 一色文枝
歩くこと課して二日の遠浅間
さいたま市 古郡孝之
遠浅間昔ながらに葱を掘る
さいたま市 古郡孝之
花堤【はなづつみ】茶店【ちゃみせ】の奥に遠浅間
さいたま市 古郡孝之


 平成十五年七月 

浅間嶺の輪郭つつみ春時雨
世田谷区 関屋いさ子
捨て葱をくくり逍遥遠浅間
世田谷区 関屋いさ子
浅間二千すさまじきかな寒の月
世田谷区 関屋いさ子
千条の襞清清し初浅間
東久留米市 窪田吐秋
唐松の芽吹きは美しき浅間山
東久留米市 窪田吐秋
千曲吹く風は浅間の雪解かな
東久留米市 窪田吐秋
昨日今日晴れて斑雪の遠浅間
蒲郡市 本多令佳
浅間嶺へ向けたんぽぽの絮飛ばす
蒲郡市 本多令佳
浅間晴小梨の花の咲きあふれ
蒲郡市 本多令佳
鳥帰る噴煙かすか大浅間
世田谷区 山脇睦久
稲棒【ぼっち】展ぶ田面を裾に大浅間
世田谷区 山脇睦久
遠浅間虚空に映ゆる木守柿
世田谷区 山脇睦久
初空や朱【あけ】に染まりし大浅間
御代田 唐沢順子
浅間晴れ甘藍出荷急ぐ村
御代田 唐沢順子
嶺晴れて浅間に秋の立つ日かな
御代田 唐沢順子
友逝きて浅間の山や秋さみし
江東区 中島一郎
春夏秋冬浅間の山に煙りかな
江東区 中島一郎
萩詠んで清水ひびくや浅間山
江東区 中島一郎
涼風【すずかぜ】をサワサワながす浅間山
御代田 沼田治代
雪浅間映して澄める植田かな
御代田 武内たけを
雄大さ学ぶ浅間や今朝は雪
御代田 武内たけを
山眠る浅間は覚めて煙吐く
御代田 武内たけを
雪の襞綺羅なしてをり初浅間
小諸市 篠原二歩
ことごとく手にして登山杖選ぶ
小諸市 篠原二歩
朝涼し火の山白きけむり吐く
小諸市 篠原二歩
故郷の大地見おろす浅間山
佐久市 畑恵里子
浅間山表情豊に雄大に
佐久市 畑恵里子
浅間なる故郷おもひ新転地
佐久市 畑恵里子
浅間嶺の闇に沈みて冴返る
佐久市 坪田智泉
浅間嶺も力を抜きて春めける
佐久市 坪田智泉
浅間嶺の近く見ゆる日柳の芽
佐久市 坪田智泉
浅間嶺に暮す幸せぐみ熟るる
軽井沢町 高橋春子
浅間嶺を覆ふが如く雲の峰
軽井沢町 高橋春子
浅間嶺や瀬音にまじり河鹿鳴く
軽井沢町 高橋春子


 平成十五年八月 

夏空を切り取る鳥居水早し
浦安市 鈴木ひかり
「妖精の距離」確かむる夏木立
浦安市 鈴木ひかり
三世代集め山落夏祭り
浦安市 鈴木ひかり
龍よりも身を躍らせて龍を舞ふ
御代田 武内だんや
浅間に雪漬け菜かりん酒急がねば
御代田 武内だんや
浅間嶺の裾に龍舞い百合かほる
御代田 武内だんや
初空に鳶を舞はせて浅間山
御代田 唐沢丘人
大浅間小浅間晴れし三日かな
御代田 唐沢丘人
郭公や浅間に残る雪の襞
御代田 唐沢丘人
逝く夏の浅間は雲を重ね着て
新宿区 柳瀬亜湖

 平成十五年九月 

浅間路にゆうすげ咲きて旅人あり
御代田 菓子大喜
名月の火星を供に浅間越え
御代田 菓子大喜
浅間背に田の水落す老農夫
御代田 菓子大喜


 平成十六年四月 

春立てる山の残雪昇り鯉
御代田 土屋敏夫


 平成十六年五月 

冬雲を抜き凛々と浅間聳ゆ
高崎市 吉田未灰
悠久の風姿鮮明冬浅間
高崎市 吉田未灰
雪雲を脱ぎ浅間嶺の浮き立てり
高崎市 吉田未灰
参籠や善光寺蕎麦もてなさる
墨田区 工藤幸子(小雪)
麦の秋浅間は白き煙吐く
墨田区 工藤幸子(小雪)
冬空へ噴煙をあげ浅間山
墨田区 工藤幸子(小雪)
まぼろしの寺を離れぬ蝉時雨
流山市 菊地京子
郭公はあの人らの声噴火絵図
流山市 菊地京子
風紋に火の色まじる雪の寺
流山市 菊地京子
海の日や草の海原浅間まで
港区 富田真木子
砂糖菓子めく雪煙り浅間山
港区 富田真木子
大浅間夏野に耕地画然と
港区 富田真木子


 平成十六年六月 

遠くには浅間の見えて種を蒔く
さいたま市 古郡孝之
夏つばめ母屋の向こう遠浅間
さいたま市 古郡孝之
まだ浅間うっすら見えて夕蛍
さいたま市 古郡孝之
紅浅間初恋ににてほほそめて
御代田 小林和夫


 平成十六年七月 

縦縞の失せて浅間の立夏かな
杉並区 荻原長幸
銀漢の浅間の影の撫肩に
杉並区 荻原長幸
牧閉ぢて用なき馬柵【ませ】や遠浅間
杉並区 荻原長幸
浅間山裾野を飾る蕎麦の花
墨田区 古川信風
旅人に星降る浅間の更けにけり
墨田区 古川信風
ゆらゆらと浅間に続く誘蛾燈
墨田区 古川信風
浅間山御代田のすそのゆりざかり
御代田 内堀 稔
龍神が池にただよう真楽寺
御代田 内堀 稔
浅間山ゆりがただようすそのかな
御代田 内堀 稔
端午の日浅間の空の透きとほり
土浦市 長島生一
慈悲心鳥浅間の裾に闇育つ
土浦市 長島生一
山仰ぎ雲雀の空を仰ぎけり
土浦市 長島生一
浅間山象にも似たり麦の秋
長浜市 長 昌子
青空に夏雲浮かび浅間山
小諸市 土屋久美子
龍神の祭りを夫と弾しぐれ
小諸市 土屋久美子
景観の地に住み仰ぐ浅間山
小諸市 土屋久美子
浅間より風を給はる麦の秋
長野市 江塚文男
わが影を浅間へ曳きて冬耕す
長野市 江塚文男
浅間嶺の煙みだれず秋の空
長野市 江塚文男


 平成十六年八月 

桑解かれ自在となれり遠浅間山【あさま】
横浜市 三浦正司
浅間嶺が見えきて安らぐ帰省かな
横浜市 三浦正司
山ひだを濃く染め浅間冬支度
横浜市 三浦正司
郭公や目覚むる浅間百合の花
御代田 氏名不詳
裾○なる此の地に龍の生れしと
御代田 氏名不詳
夏来たる青空高し浅間山
御代田 氏名不詳
ゆりの花訪ねまほしき浅間山
西東京市 内田 稔
浅間山訪ねまほしきゆりの花
西東京市 内田 稔
浅間山ふるさと忍ぶゆりの花
西東京市 内田 稔
子らはずみ春きざしけり浅間の嶺
鴻巣市 浅野悦子
山ぼうし涼しき風は浅間より
鴻巣市 浅野悦子
浅間嶺をかくせし山の半夏生
鴻巣市 浅野悦子


 平成十六年九月 

山襞のありありと見ゆ鳥威し
御代田 北村 昇
浅間嶺の裾踏み荒らし稲を扱く
御代田 北村 昇
浅間嶺の雪果つる日の眠たげに
御代田 北村 昇
すすきゆれ伝説深き真楽寺
御代田 武井 孝
山百合の花粉にまみえて蝶が舞ふ
御代田 武井 孝
浅間麓レタス畑に朝の露
御代田 武井 孝
浅間のみ雪を残して佐久平
須坂市 三輪浅茅
行き行けど浅間は広し霧氷林
須坂市 三輪浅茅
浅間山よりの雪しろ虚子旧居
須坂市 三輪浅茅


 平成十六年十月 

雪帽子心のふるさと浅間山
桶川市 小池タカ
噴く浅間けむりは秋の風にのる
桶川市 小池タカ
雪衣静かにねむる浅間山
桶川市 小池タカ
秋空に一筆絵なる浅間山
オーストラリア 福嶋 晋
黄金葉の踊り浅間の野分かな
オーストラリア 福嶋 晋
噴煙は秋空の雲かと浅間山
オーストラリア 福嶋 晋
煙に乗り若き日の夢江戸の春
御牧原 斯波 均
噴煙の果てはいわきか友のたより
御牧原 斯波 均
帰りきてここが一番浅間静か
御牧原 斯波 均


 平成十六年十一月 

秋浅間追憶のよう灰は降る
練馬区 野木千珠
パッチワークの如き粧ひ浅間山
千葉県大綱白里町 木村香月
浅間嶺の裾なだらかに粧へる
千葉県大綱白里町 木村香月
浅間山時雨るる吾れは一遊子
千葉県大綱白里町 木村香月


 平成十六年十二月 

よな降るや浅間の裾の鬼薊
横浜市 重富北坡
蕎麦の花浅間の噴煙沈鎭まれり
横浜市 重富北坡


 平成十七年四月 

信濃路や浅間の山の見ゆる旅
沼津市 ちまつ
噴煙に秋の浅間は見えかくれ
沼津市 ちまつ
晴れならばあの辺りかな浅間山
沼津市 ちまつ





浅間連衆 あさまれんじゅ


再投稿された方の句を公開していきます。



初浅間白無垢姿たおやかに
松戸市 素春
初浅間真白き畑の上に座し
松戸市 素春
初浅間碧天にいて化粧はえ
松戸市 素春
碧天を押し上げてをり初浅間
松戸市 素春
樺萌ゆ透かして眺む大浅間
松戸市 素春
佐久鯉の形【すり】に残雪大浅間
松戸市 素春
浅間嶺の片裾引きて深雪晴
御代田 土屋春雄
幾百の絵馬打ち鳴らし春疾風
御代田 土屋春雄
アルバムに逝きし友在り遠蛙
御代田 土屋春雄
浅間澄み裾野紅なる茸とり
御代田 清水たけし(猛)
奥信濃雪なら佐久はからっ風
御代田 清水たけし(猛)
春雷や浅間は雪を残しをり
御代田 清水たけし(猛)
黄砂来て浅間も霞む梅の花
御代田 清水たけし(猛)
庭もなく窓より見つむ雪浅間
御代田 清水たけし(猛)
点のような駅が裾野に雲の峰
御代田 橋本 潔
鳥渡る峠と聞きて風を見る
御代田 橋本 潔
駅の燈の遠さやすべて蟲すだく
御代田 橋本 潔
碧天に大浅間ありもぐら塚く
御代田 橋本 潔
家を閉ず秋の光を残すままく
御代田 橋本 潔
去年今年貫き雪の朝かな
一里塚去り難【が】てに見る桜かな
風の道俳句会 松浦靖子
鬼羊歯の濃緑の渦夏来る
御代田 松浦靖子
手で開く列車の扉ダリヤ咲く
御代田 松浦靖子
三伏【さんぷく】や起き抜けに飲む山の水
御代田 松浦靖子
山百合や背戸の荒草抜きん出て
御代田 松浦靖子
大花火鳴って竜神舞い納め
御代田 松浦靖子
少年の寡黙に揺らすハンモック
御代田 松浦靖子
一つ来て又来て小鳥の庭となる
御代田 松浦靖子
七草の五つ咲かせて庭の秋
御代田 松浦靖子
暗渠への水の速さや草紅葉
御代田 松浦靖子
木洩れ日の草鳴らし来る穴迷ひ
御代田 松浦靖子
一位の実燈して馬頭観世音
御代田 松浦靖子
狐ゆく峠の星の明るさに
御代田 松浦靖子
ウィスキーモルト眠らず山は雪
御代田 松浦靖子
駅頭に遭ふ冠雪の大浅間
御代田 松浦靖子
軒氷柱滴るリズム早くなり
御代田 五嶋不二
浅春の客は山啄木鳥【やまげら】赤帽子
御代田 五嶋不二
大鷹の風に林の揺らぎけり
御代田 五嶋不二
鶯や疎林の遊び細やかに
御代田 五嶋不二
木の芽垣隔て一族住みあへる
御代田 五嶋不二
杖の先遮る雉子の尾の長く
御代田 五嶋不二
さりげなく佇みをれば草ひばり
御代田 五嶋不二
馬追や御代田に二つ一里塚
御代田 五嶋不二
俄かなる激流の音野分やむ
御代田 五嶋不二
秋霖の晴るるや鳥のどっと来て
御代田 五嶋不二
山荘の琴糸きしむ霧時雨
御代田 五嶋不二
御代田 土屋春雄
夜桜や藤村館の閉ざされて
御代田 土屋春雄
ことことと回る水車や里の春
御代田 土屋春雄
小諸なる城址の木々の芽吹きかな
御代田 土屋春雄
種薯の「男爵」買ひて野良着きる
御代田 土屋春雄
緑陰に緑陰かさね山の寺
御代田 土屋春雄
首振って麒麟残暑を払ひけり
御代田 土屋春雄
草も木も梳かれたるまま野分跡
御代田 土屋春雄
時雨るるや浅間の腰に雲の帯
御代田 土屋春雄
凍て星に樋のぴしぴし鳴りにけり
御代田 土屋春雄
落葉松の芽の吹き始め大浅間
御代田 沢田勝彦
耕人に大地は斜め大裾野
御代田 沢田勝彦
おばさんの大きな声で夏終わる
御代田 沢田勝彦
遠花火ちちははのいた頃のこと
御代田 沢田勝彦
黙祷の足元に飛ぶ赤とんぼ
御代田 沢田勝彦
生垣に点描の赤一位の実
御代田 沢田勝彦
点滴の窓から仰ぐ雪浅間
御代田 沢田勝彦
テロ止まず冬の星座の大回転
御代田 沢田勝彦
鳥点々山へと急ぐ雪模様
御代田 沢田勝彦
南無二月粘土で造る菩薩像
御代田 沢田勝彦
草木瓜を点じてひそと一里塚
御代田 大高霧海
仏の座寄り添い群し一里塚
御代田 大高霧海
真田井戸底ひ輝く新樹光
御代田 大高霧海
あかがねの浅間山柔らか野分晴
御代田 大高霧海
夕霧や堰落つ音は御膳水
御代田 大高霧海
霧襖浅間山妙義山も閉ざされて
御代田 大高霧海
タゴールも佇ちし峠や紅葉燃ゆ
御代田 大高霧海
秋興に天狗面あぐ荘訪ね
御代田 大高霧海
高屋根の荘訪へば木の実降る
御代田 大高霧海
寒晴れや雲版掲ぐ四柱門
御代田 大高霧海
荒土に明日待つ貌や福寿草
御代田 日比忠雄
信濃路や真白き浅間春いまだ
御代田 日比忠雄
霞立つ浅間の麓鳥の声
御代田 日比忠雄
しじみ蝶風に吹かれて鮮やかに
御代田 日比忠雄
薄野や暮れて皓皓銀の波
御代田 日比忠雄
蕎麦手繰る手を休ませて紅葉かな
御代田 日比忠雄
蕎麦の実をやさしくつつむ里の霧
御代田 日比忠雄
星冴えて浅間の麓眠りけり
御代田 日比忠雄
寒蕎麦のやさしく咽を通り行く
御代田 日比忠雄
煮凍の解けゆく卓の温かさ
御代田 日比忠雄
零れ萩寺の参道埋め尽くし
御代田 内堀美保子
山肌をやさしく包む蕎麦の花
御代田 内堀美保子
歳時記を父より受ける建国日
御代田 内堀隆史
漆黒に刻む時の音初時雨
御代田 内堀隆史
風匂ひ朶に仄かな春動く
御代田 内堀隆久
蕗味噌の焦げの匂ひや箸のさき
御代田 内堀隆久
長閑けしや回覧板を庭先に
御代田 内堀隆久
蜩や龍伝説の沼妖し
御代田 内堀隆久
稲架襖夫婦の足の往き戻り
御代田 内堀隆久
霧雫涙雫か欠け仏
御代田 内堀隆久
桑の実や浅間背にして俄農
御代田 内堀隆久
初霜や小石に命ある如く
御代田 内堀隆久
施錠せし外湯階段冬支度
御代田 内堀隆久
地吹雪の白き舞台に波の紋
御代田 内堀隆久
山門に一陣の風花吹雪
御代田 石田彰男
連翹や旧家の土蔵壁白し
御代田 石田彰男
松蝉や中山道の焼団子
御代田 石田彰男
裾野行く風を切りけりほととぎす
御代田 石田彰男
青栗を活けて窓辺に風を聴く
御代田 石田彰男
蜩や追分宿の蕎麦暖簾
御代田 石田彰男
稜線の見え隠れして時雨くる
御代田 石田彰男
天高し八ッ岳の裾野は長く伸ぶ
御代田 石田彰男
湧くごとく碓氷の峡に霧昇る
御代田 石田彰男
日の当たる納屋に姥居て秋櫻
御代田 石田彰男
古民家の呼鈴澄みて秋の音
御代田 石田彰男
雲ひとつ浅間にかかり杜鵙草
御代田 石田彰男
味噌豆の香る小諸の蔵屋敷
御代田 石田彰男
浅間山けむりとユリは日本一
西東京市 内田 稔



ありがとうございました!誤字脱字あればお知らせ下さい。
また上記御代田在住氏名不詳の方、どうしても一字判りません、
連絡お待ちしております。


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